TOPへ

コラム

大腸カメラの前処置に使用される下剤の種類

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を行うためには、前処置が必要になります。
基本的には検査当日に下剤を服用して、腸の中をキレイしてからの検査となります。
その大腸カメラの前に服用する下剤にも、様々な種類があります。
今回は、その下剤の種類と簡単な特徴や使い分けなどご案内します。
 
◆各薬剤の特徴と使い分け◆
 
① モビプレップ®(PEG製剤+アスコルビン酸)
 
飲む量:
1~1.5L(従来より少なめ)
 
特徴:
・電解質含有で安全性高い(体液バランスが崩れにくい)
・味に酸味あり、やや飲みづらい人も
・効果確実で内視鏡医に好まれる
 
向いている人:
・標準的な前処置ができる成人
・腎、心疾患がない人
 
 
② ニフレック®(PEG製剤)
 
飲む量:
2L程度(多い)
 
特徴:
・吸収されず安全
・味がほぼ無味塩味(飲みにくい人も)
・効果安定
 
向いている人:
・若年者~中年者で飲む量を苦にしない人
・安全性重視の人(腎・心疾患でも使いやすい)
 
 
③ マグコロールP®(硫酸マグネシウム)
 
飲む量:
約1L(+水1L程度)
 
特徴:
・少量で済み、味も比較的良い
・Mgが体に吸収されるため、腎機能低下・高齢者には注意
 
向いている人:
・若年~中年で腎機能正常な人
・飲む量を減らしたい人
 
 
④ ピコプレップ®(ピコスルファート+酸+Mg)
 
飲む量:
薬液2回+水約1L
 
特徴:
・飲む量が少なく飲みやすい
・作用は穏やか(効果発現に時間がかかる)
・脱水、電解質異常に注意
 
向いている人:
・高齢者、体力がない人
・大量の水分摂取が難しい人
 
 
⑤ ビジクリア®錠
 
飲む量:
全50錠を水と一緒に飲む
(数錠ずつ、水をこまめに飲みながら2時間くらいで飲み切る)
追加で水を1Lほど飲む(体内の水分バランスを保つため)
 
特徴:
・錠剤タイプ(液体が苦手でも飲みやすい)
・水を飲む必要はあるが、薬液自体を大量に飲まなくてよい
 
向いている人:
・液体を大量に飲むのが苦手な人
・若年〜中年の健康な人
・味が苦手でモビプレップなどが飲めない人
 
 
⑥ サルプレップ®
 
飲む量:
薬液約480mL+水約960mL × 2回(合計約3L相当の水分摂取)
 
特徴:
・下剤自体の飲む量が少ない
・ややしょっぱい+レモン風味で比較的飲みやすい
・服用開始1〜2時間後に排便が始まることが多い
 
向いている人:
・水分を大量に飲むのが苦手な人
・できるだけ短時間で腸をきれいにしたい人
 
 
当院では、⑥のサルプレップをメインに使用しておりますが、患者様のご希望に合わせて下剤も変更が可能です。
大腸カメラを行う際は、この下剤の服用が億劫でなかなか検査を受ける決断ができない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
当院では、下剤の服用量がなるべく少なく済むような工夫も行っております。
大腸カメラを悩まれている方は、お気軽に当院にご相談ください。